猫の目ギラギラリン

アニメソング(アニソン)、アニカラが大好物で漫画・アニメも好物という死んでも治らないと思われるヲタ属性。他に社会で起こってることや民俗っぽいことや懐かしいことや動物・自然などにも興味を持つには持っているビミョーな匙加減なり。

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中国の中心でアニメを叫ぶ

参考:朝日新聞4/13付 経済面
 中国、上海を中心とする華東地域が、自前のアニメを制作する拠点を目指し始めているそうです。今までは日本よりも人件費が安価(日本の1/5だそうです)なので下請けとして中国のアニメ制作会社が仕事をしていましたが、 2003年、中国政府のアニメ振興政策の決定も相俟って、今後は40年ほど前の日本の如く自力でオリジナルのアニメ制作を図っています。

 先の中国でのデモ行進も発端はインターネット上の書き込みであったように、中国では経済水準の上昇と共に急速にパソコンも普及しています。日本でもセル画から移行しているように中国でも色を入れる作業などはパソコンで入力しています。

 日本のアニメ制作会社は中国などの制作会社に委託して動画などの作業をしてもらってましたが、最近は中国の方の人件費も上昇しているようで、下請けが更に安価なタイ、フィリピン、ベトナム北朝鮮に代わりつつあるようです・・・って、北朝鮮も下請けリストに入っているのがちょっと驚きだけどね。技術はともかく真面目に仕事してくれそうだけど。

 私が学校の研修で行った頃の中国とは全然違って、日本を含め海外から色んな文化が入ってくるようになってかなり開けた感じがします。あの頃研修先の大学の購買でアニメのカセットテープを扱っていたものを2,3本買ったけど、そのイラストは日本のパクリとも言えないとてもお粗末なものでした。新聞には『隋唐英雄伝』(2002-03年)という中国で制作されたアニメの1カットが載っています。キャラクターの目を見ると良く分かるのですが、かなり日本のアニメの影響を受けています。今まで日本の下請けの仕事をしてきたので仕方ないのですが、今後独自の力を付けてくれば、日本をも凌ぐ未知数な力も感じられるだけに手強いです。

 新聞に書かれている中国アニメ事情は
・中国アニメ業界の売上は、2003年の80億元(=約13円)、04年の230億元、05年には推定で500億元まで急伸長。
・2004年より中央テレビ局や地方テレビ局でこども向けチャンネルが開設。また、上海市北京市湖南省がアニメ専門チャンネルを開局。
・2001年、上海地区の人気アニメは1位:ちびまる子ちゃん、2位:中華一番と日本アニメがワンツーフィニッシュ。日本を含めた外国アニメが人気なため、中国政府はアニメの国内作品比率を放送時間で6割以上と設定。
・アニメーターなどのアニメ関係者の不足が深刻で、推定で140万人足りないとのこと。
・2004年、華東師範大学(上海)に国家動漫遊戯産業振興基地を設立し、アニメ学院を新設し05年より学部生、学院生の募集を開始。中国全国の大学約130校がアニメ専攻を新設。

・・・海外で高い評価を受けた宮崎駿監督の影響もかなりあるのではないでしょうか。羨望と嫉妬が表裏一体、我が中国でも一旗揚げて見せよう、と。それにしても、業界の売上が右肩上がりで凄いことになってますね。その傾向に政府が乗り、大学が乗り、最終的には企業が乗って、ここでも経済を活性化させる狙い。しかし、日本と同じくアニメーター不足に悩める事情は皮肉なもの。日本アニメの人気は2005年現在ではどうなのでしょうか?私が昔研修に行った頃は合宿所で『机器猫』(=ドラえもん)を放映してましたけど。色んな問題を抱えているでしょうが、新聞の文面から中国アニメの勢いはかなり感じます。ネタ的に頭打ちな日本のアニメに新しい風を送ってくれれば良いと私個人は思っています。