猫の目ギラギラリン

アニメソング(アニソン)、アニカラが大好物で漫画・アニメも好物という死んでも治らないと思われるヲタ属性。他に社会で起こってることや民俗っぽいことや懐かしいことや動物・自然などにも興味を持つには持っているビミョーな匙加減なり。

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よみがえる空

 桜美かつし監督って『ガンパレード・マーチ』の監督もしてたよね。ちょっとと言うかかなり雰囲気が違うね。こっちは非常にダウナーだ。

 前回は飼い犬を助けに自宅に戻ってしまった女の子を助けに内田が向かったところで終わったのですが、今回はその続き。内田が別の家の飼い猫を持ち帰ったことから悲劇が始まりました。こどもの視点からすれば純粋に自分のところの犬も助けなきゃってなるのは自然の成り行き、そこを見抜けなかったのはちょっと甘かったか。

 見つけて来た傘を提示しても我が子のものではないと言い張る母親。本当は娘が持っていた傘そのものなのに事実から目を背けたくなるほどの最悪の状況の可能性が待っていました。娘のさくらちゃんは余震で倒壊した家の下敷きになり、助け出したものの重傷、本郷の乗っている救助ヘリは巻き起こす風が二次災害を生む可能性があるため現場に近づけず、悪天候も重なって200mほど離れたところに着陸。やっとのことでさくらちゃんを乗せて飛び立つも燃料が残りわずかで無理すれば不時着の恐れも出てきましたが、そこは内田の機転で監視中の護衛艦で給油をして本土の病院に搬送しますが・・・。

 視聴していた方の多くは助かると思い、もちろん私も助かると思っていたのですがそれも甘かった。天災はお年寄りにもこどもにも平等な死を齎します。これはアニメだけどアニメから離れた現実の悲惨さを教えてくれた気がします。阪神淡路大震災新潟中越地震もそうであったように天災はこどもにも容赦しません。今回の場合は建物の倒壊によってさくらちゃんの身体が強く圧迫され血流が一時的に止まり、身体に乗っていたものを取り除いたら今度は急激に血流が起こり「クラッシュ症候群」を引き起こしてしまい死に至ったのでした。

 ついさっきまで元気だったこどものあっけない死、これほど親にとって辛いものはありません。逝ってしまったさくらちゃんも可哀想だけど、両親は守ってあげられなかったことを嘆き悲しみ生きていかねばならなくて悲惨と言う以外言葉がありません。そして新人の内田にとっても苦い経験として一生記憶に残ることでしょう。医療の現場もそうですがこういった救助の仕事をする人達も幾多の死を見つめて行かなければなりません。綺麗ごとを言っていては決してできない仕事です。ヘリが降りる場所を車のヘッドライトが照らし出してくれていたように困っている者の助けとなり、厳しい状況の中で一人でも多くの人命を救う仕事が今内田の関わっている仕事なのです。

 今回の仕事が終わって内田は彼女の声が聞きたくて電話をかけ、本郷は自宅で愛娘を可愛がっています。どちらも今回の一件が非常に辛い出来事だったのは確かです。その感情を抑えている分本郷は肝が据わっているし、それだけ今までに色んな現場を経験してきたことに他なりません。内田がここでやって行くにはまだまだ場数と心の鍛錬が必要なようです。

 大人が観て感情移入できるアニメ作品、これはなかなか良いですよ。(^^)