モノノ怪
キツネ面の男(CV.緑川光さん)を長いお札(?)でグルグル巻きにして拘束した上でお蝶(CV.桑島法子さん)に薬屋が話を聞き始めます。この作品の1つのテーマとも言える女性の不幸をこのお蝶も抱えていました。酒浸りの夫、そして冷淡な周囲の者に虐げられる日々の中で救いを求めたのがキツネ面の男だったということでしょうか。
モノノケに甘え、笑い事の多いお芝居のような話によって何人を殺めたのか。虐げられ罵声を浴びせられていた時に台所でお蝶自身が窓から見た青い空。籠の鳥。逃げ出せなかったのではなく逃げ出さなかったのは、彼女が自身の心を殺してしまったから。
お蝶の母(CV.真山亜子さん)は元々武家の妻だったでしたが、夫を早く失くして家禄をすべて取り上げられしまい没落。それで彼女に願いをかけて武家に嫁がせたようです。昔は女性の意志問わずの結婚などありふれたことだと思いますがそれでも切ないことです。彼女は母が好きだったからその願いを受け入れ妻という仮面を被りました。
母の言うことを聞き心が身体から乖離するのはこどもの頃から。そして祝言の時も。自分はこんなにも頑張ったのに母は自分の言うことを聞いてはくれなかった。「ばっかみたい」……キツネ男から渡された凶器。実の母や愛のない夫のために自分を犠牲にしているお蝶の殺伐とした心がキツネ男を産み出したのか引き寄せたのか。のっぺらぼうが助けたのは彼女の心なのか。それはモノノケが彼女に恋をしたから? 何度もリピートされるシーンに彼女の何を表しているのか。で、彼女は本当に人殺しをしたのか? 自分には最後までわかりませんでした。夢現の世界にも思えて。(^^;
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