生きる

　
　私が子供の頃には農家の家に練炭の炬燵があった。
「絶対に炬燵の中に首突っ込むなよ！」って釘を差されたっけ。
それが今じゃ自殺幇助の道具だ、何て世の中なんだ。

　それも自殺してるのが１０代、２０代の若者。それも集団での自殺だ。
そりゃあ若かろうが歳とっていようがそれぞれ悩みはあるだろうさ。もちろん私だって。
だけど、正直命の重さがこんなに軽いもんなんだって思う事件はないよ。
ウチの父みたいに生きたくともそれが叶わない人間は世の中にはたくさんいるんだ。
自分の絶望的とも言える空想が叶うのならば、命をリサイクルできる装置を是非
作って欲しいよ。生きたい人にこの命をあげたい。こんなに命を粗末に扱うのであれば
本当に・・・。単独で死のうがグループで死のうが自殺は自殺、貴方達が思ってる以上に
周囲は悲しんでるよ。特に肉親は貴方達が起こした事件のために苦しみ、悲しみ、
追い打ちをかけるようにメディアや周囲の目から２重、３重の苦しみを受けることに
なる。貴方達は良い、もうこの世にはいないのだから。ただ、極楽浄土に行けないことは
確かだ。これだけの迷惑を与えておいて安らかに昇天できるなんてありえない、絶対に。

　これ以上こういうゲームにも似た自殺の連鎖が続かないことを願いたい。最近父を
亡くした私は今、生と死についてはかなり敏感になっているのだ。